2011年8月26日

たまには書評

「なぜ、横浜中華街に人が集まるのか」 (林 兼正 著 /  祥伝社新書)

最近自分の生まれ育った町坂出の中心街の衰退をみながら、ぼんやりと町おこしのようなことを考えている。本当にただぼんやりと、どうしてこんなことになっているのか。坂出だけでなく隣の丸亀の商店街も、そして高松中央商店街さえもとんでもない大変なことになってしまっている。しかし私も私の家族も何の不便もなく日常生活はできている。

そう、私は林氏のいうところの「定住者」なのだ。坂出の商店街、元町、本町で商いをしている商店街の当事者、商人ではない。しかし私の祖父(早死にだったそうで、私の生まれるはるか以前に亡くなっていた)は本町筋で松井呉服店を営んでいたらしい。爺さんの時代は当事者だった。

林氏は「町はつねに衰退に向かって疾走している」という。毎年2300万人を集める横浜中華街もそうだという。ではどうして今の繁栄があるのか。先人たちの絶え間ざる努力の積み重ねがあるからだ。子々孫々のために潰れても潰れても復興させ時代に合わせて変化させてきたからだ。横浜中華街も関東大震災、横浜空襲で徹底的に破壊された。

この本には街づくりのことだけではなく、横浜の華僑の歴史、リーダーシップとは、組織とは、経営とはが詰まっている。生きていくうえでのヒントがたくさん詰まっている。

今回の関西出張中、大阪中央区ミナミ商店街連合会のかたから、空店舗対策事業の話を頂いた。衰退する大阪でミナミもキバッテいる。弊社は出口つまり売り先が必要な一次産品生産者や零細加工業者の商品を街行く人につなげていきたい。

2011年8月22日

カレーうどん大(2玉)=約6.5ドル(500円)


「米欧破産!」週刊誌は米国、EU諸国の財務状況が深刻なことになっている。円高はその表れであるとする。そして日本経済は、債務残高がGNP比200%を超え、深刻なEUや米国よりもはるかに破たんリスクは高いと述べている。

今は落ち目とはいえ、米国国債は中国と我が国が買い支えている。日本がこけると米国はじめ世界のあちこちの国がこけることになるのではないか。世界経済はお互い様の様相である。ということはどこかの国のわがままを許さない事、すなわち盗人が、わさわさ出てきても財産を取られないようにすることが大事だ。実力行使ではなく制度的仕組みを国際協調で作ることである。誰がどこにどのように働きかければできるのかは今の私には解らないのだが。

経済の行き詰りが続くとファシズム台頭を許す流れができる。7月ノルウェー銃乱射事件は象徴的事例である。容疑者が移民の受け入れをしていない日本への憧れを抱いていることに複雑な気持ちになる。日本国内では韓国ドラマ放送反対日の丸デモが放送局を包囲した。今後国内のマイノリティ排除の運動にならないようにしっかりと見守らなくてはいけない。歴史は繰り返させてはいけない。

今年の夏休みは香川県内のうどん店、製麺所は苦戦している。県外からのうどん食べ歩き(うどん巡礼)に来られる方が減っている。高速道路1000円が打ち切られた事、震災の影響・・・など要因はいくつかあるのだろう。10年間続いた第4次讃岐うどんブームもいずれは終わる。そして新たな流行がどこかで芽生えてきているはずである。人は常に新たな刺激と満足を求めているのだから。